寮生の声


入寮パンフレットに掲載された寮生の声を一部紹介します。

熊野寮に住む女性

入寮五年目(医学部人間健康科学科)

 

 みなさんこんにちは。初代熊野寮子を名乗る者でございます。寮内外からは愛を込めて通称りょうこさんと呼ばれています。せーのっ「りょうこさーん!」はい。よくできました。笑

今年で5年目になる私から、少し昔のお話をさせていただきます。私が入寮した頃、2010年になりますが、その頃は女性もまだまだ少なく、誰が住んでいるのかも全て把握できるような状態でした。女子寮生の会なるものもかなり大きな存在としてありました。それはそれは年功序列で大奥のような。笑 あの頃に比べたら、荒廃した建物にあるかのようなトイレも全自動になり、シャワー室も設備(これは私の入寮前ですが)、各エリアの女子率もかなり上がりましたね。本当に住みやすいんです。寮内のあらゆる課題にメスを入れ続けてくださったお姉様方に感謝の言葉しか見つかりません。ありがとうございます。

 みなさんはKMN48という熊野寮自治やっちゃう系アイドルをご存知でしょうか?京大内では人気ナンバーワンを誇るアイドルでして(自称)、詳しくはYOUTUBEをご覧くださいませ。こういった活動もあり、新入寮生や女の子同士の仲は結構いいと自負しております。っていうかね、はじめさ、この子性格合わなーいとか思っても、嫌でも毎日顔合わせるし、1年も一緒に過ごしたら家族同然になってくもんなんだよね。な・の・で、ぜひ、女子寮生のみなさん!!熊野寮に入り、自ら竜巻の目となって、いろんな企画をしてみませんか?

 そんな私の生活は、朝、2段ベットの上の子に起こしてもらい食堂で朝食。午前の研究が終われば寮に戻り、かわいい後輩達に囲まれながらランチ。食後休みは談話室で同回生がゲームをやっているのを見ながら過ごし、午後はバイト。夕方戻ったら同期と食堂で夕飯。ダンスの後シャワーを浴びて寮の会議。部屋で日記をつけて明日の準備。寝る前にもう一度談話室でまったりぬくぬくしたお布団で就寝です。

 

どうですか?いやあね、本当におすすめ??

 

熊野女子となった暁には、こんな特典が付いてきます!!

・家族のような友人ができる

・大好きな先輩・後輩ができる

・節約しておしゃれができる

・美味しい寮食でバランスばっちり

・限られた空間での収納術が身につく

・虫なんかこわくない

 

たくましく美しく成長できること間違いなしです。もう特典だらけでしょ?

いろいろ書きましたが、私ども一同、皆さんの入寮をお待ちしております。

 

 

 

留学生の声

入寮四年目(教育学研究科博士)

 

 中国からの留学生で、熊野寮に住んでいます。寮が大好きで、卒業まで住んでいきたい。熊野寮に住むのが無理かなという人によく言われるのは四人部屋で、プライベートがないという理由が多い。自分は中国の大学で四人部屋の「集体宿舎」に生活した経験があり、寮に入る前にも一人暮らししたこともあります。一人暮らしがあまりにも寂しくて、寮の生活がもっと楽しく、同部屋の人と友達になれるだろうと思い、寮に尋ねてきました。もちろん、民間デパートと比べて、圧倒的に安い賃金も勉強とアルバイトを両方ともしないといけない自分にとって、もう一つ大きな理由でした。

 熊野寮から北に行くと、皆さんは遠くとも自転車で15分間以内に教室あるいは研究室に着くだろう。西側に京都名川鴨川があり、東側に平安神宮、京都美術館・図書館など人類文化財産が並べています。南にいくと、観光地祇園、商業中心地も遠くない。つまり、留学生たる私にとって、日本に勉強するとともに、日本文化も理解するため、熊野寮は絶好な立地にあります。

 地理的な便利があるのだけではなく、熊野寮自体も自由な空間であり、魅力のあるところです。周知のように、熊野寮は自治寮で、学生が寮の仕事をやりながら、協力して寮の全般を運営しています。寮をますます改善するために、寮内会議が不可欠で、会議ではだれでも自由に発言ができます。皆の賛同を貰えば、実現することができます。このような自治制度は留学生たる私にとって自国では見たことない風景で、日本全国の学生皆の誇りだと思います。

 しかしながら、日本語能力の問題があるので、留学生にとって、寮内会議を参加し、徹底的な議論を行うのはすこし難しいところがあるかもしれません。それを改善するために、近年、寮の国際交流局が日本人学生と留学生のお互い理解を深めるために、多彩なイベントを開催しているのだけではなく、日本語の面でも留学生を支える議案が出されています。このような開放的な姿勢があるからこそ、今の熊野寮は中国、韓国、スイス、ブラジル、フランスなどの国からの人が集まってきて、皆はともに勉強して寮生活を送っています。

 

 

 

 

「くまのまつり」の紹介

 

熊野寮では、2011年から毎年5月中旬に「くまのまつり」というお祭を開催しています。このお祭は、地域住民の皆さんをはじめとする寮外との連帯を目指すものです。ここではそのお祭の紹介をしたいと思います。 2014年度は熊野寮でいろいろありました。寮生が逮捕されたり、公安警察が熊野寮を捜索する様子が大々的に全国に報じられたり。そうでなくても夜中に喧しかったり、常識はずれなことをしたり、何かと世間をお騒がせする熊野寮です。わけのわからない過激派集団と、寮外の方々には映るかもしれません。 しかし、私たちは寮自治会として行なう全ての事柄を、熊野寮を守り発展させていく上で必要かつ有益であると考えて実施しています。そして、熊野寮は全ての学生の教育を受ける権利を保障するためにあるのですから、社会的にも私たちの取り組みは必要なんだとの自負を持ってやっているのです。 ともすれば誤解されてしまう、しかし本当は非常に重要な寮自治会の内実を、しっかりと社会に発信し、地域の方々と顔の見える関係をつくる中で広げていこうというのが「くまのまつり」の取り組みです。 さて、前置きが長くなりました

が、お祭の様子をご紹介しましょう。会場は寮玄関前の駐輪場と玄関ロビー・食堂です。駐輪場にはテントを設置し、出店がところせましと立ち並びます。昨年度は26店舗が出店してくれました。出店するのは寮生だけでなく、熊野寮周辺で飲食店や雑貨店を営む方々や、住民の方々です。近隣の方々の出店では、メキシコ料理やベトナム料理、ペルシャ料理など国際色あふれる食べ物、沖縄料理や居酒屋、天然酵母パンなど多彩な食べ物が楽しめます。また、古着やポストカード、革製品、アクセサリーなど雑貨も様々です。それ以外でも、タロット占いやマッサージのお店を開く方もいました。寮生は、コスプレカフェ、お化け屋敷、人生相談、デュエルブース、丸坊主専門床屋など個性あふれる出し物を展開しました。また、駐輪場の一角には特設ステージが設置され、様々なステージ企画を楽しめます。ステージ企画には寮生をはじめ寮外からも音楽室利用者や、手品サークル、落語サークルなどの学生も出演してくれました。バンド演奏、ダンス、弾き語り、手品、落語などで例年盛り上がります。お祭には、近隣の住民の方々をはじめ、お隣のスイミングスクールに通う子

 

供たちやその親御さん、出店店舗の常連さん、学生たちなど多くの方が来場してくれます。今でこそ、盛大なお祭になった「くまのまつり」ですが、はじめからそうだったわけではありません。寮生や寮外の協力者がお店や知人に呼びかける中で、毎年少しずつ輪が広がっていき、このような盛大なお祭へと成長していきました。やりたいと思ったことを何でも実行に移せるのが自由な熊野寮のいいところです。「くまのまつり」は自治会のもつ無限の可能性の一つを示す取り組みだと思います。さて、入寮を検討される皆さんには、入寮してもしなくてもぜひ「くまのまつり」に遊びに来てほしいと思います。もっと言えば一緒にお祭をつくりましょう! できれば入寮して一緒にやりましょう! 皆でアイデアを出し合いながらお祭を創りあげていく過程、ご近所の人と出会い語る中で新たな関係を創りあげていく過程では、かけがえのない団結が生まれます。それが熊野寮をよりよい自治寮に変えていく何よりのエネルギーなのです。

 

 

 

セクシャルマイノリティーについて

入寮一年目(文学研究科修士)

 

 セクシュアルマイノリティーと呼ばれる人たちが人間社会には存在します。多くの人々が遺伝上の性別と脳の性別、つまり精神的な性別が一致し、かつそれが女性ならば男性を、男性ならば女性を恋愛対象とするのに対し、彼ら、彼女らそれに当てはまらない個性を持ち合わせて生きています

 ここでは主にGender Identity Disorder(性的違和症候群)の人について話題にします。この個性を持つ人は先天的に遺伝上の性別と脳のそれが不一致な特徴を持ち合わせていると考えられています。当事者の人は多くの場合、子どもの時から周りから規定された性別にさまざまな形で違和感を覚えます。特に学校教育では、男女わけが制服から始まり、いろいろな場面でなされます。それ故、自分は心で自覚している性別で生きたいという気持ちを意識的にせよ、無意識的にせよ持つ中で、生きづらさを感じ、不登校になったり、あるいは成長の過程で自分の身体に嫌悪感や違和感を覚えたりします。理解のない周囲からの侮辱的な言葉や、学校での男女分け、カミングアウトしづらさ、服装と戸籍上の性別の不一致のための就職の困難、公的書類での性別欄の存在、性別再判定手術などの治療の高額さと健康へのリスクなどの生きづらさがあります。加えて戸籍を変えない限り結婚もできません。

 熊野寮はこうした属性を持つ人が仮に入寮してくればどのように対処すべきでしょうか?自治寮として京都市の家賃の相場からしてありえない月4100円の維持費、一日三食栄養価の高い食事を食べても1000円もかからない食堂、女子寮生の入寮を実現させた熊野寮の歴史と実践、多様な人々が平等に自治に参加できる寮のあり方を踏まえるとセクシュアルマイノリティーが住み、かつ他の寮生と共に楽しく暮らし、自治に参加するのが望ましいと言えます。寮内でもセクシュアルマイノリティーとそうでない寮生が共に理解しあえる関係をどう作れるかの議論は既に始まっています。そもそもが現代では、誰もが学校で受験競争を強いられ、社会では労働者として競い合わされています。その中で個人の個性が抑圧されているのは程度の差はあれ、誰でも同じと言えるでしょう。そのことを踏まえれば、もしそのような人にこの寮で会ったとしても仲間として共感し、団結できるのではないでしょうか?

 

熊野寮祭という何か


入寮一年目(工学部)

 

 多分、熊野寮を語る上で切っても切れないのが熊野寮祭。字面から、何となくお祭りっぽいのは解ると思います。だがしかし、新しく入る皆さんには何のことか解らない人も多いと思うのでここでその説明と魅力を語っていきたいと思います。

 熊野寮祭:京都に於ける裏三大祭の一つ。また、京都大学において規模や期間が最大の行事。その歴史は記録に残らないほど古いとされる。そこには熊野寮で日頃に持て余されたパトスが発揮されれている。(民青典)

 パトス:アリストテレス倫理学で、欲情・怒り・恐怖・喜び・憎しみ・哀(かな)しみなどの快楽や苦痛を伴う一時的な感情状態。情念⇔エートス。(大辞泉)

 さて、これで解っただろうか?

 何?解らない?それでは仕方ない、もう少し詳しく説明してあげよう。

 その前に、だ。君たちは時計台の上に登る人がいると聞いたことがあるかね?四条の街で運動会を行うという奇特な集団のことは?知らない?では、潔く調べてから出直してきてくれ給え。……と、本来なら言って差し上げるのだが、これも仕方ない、今回だけ特別だ。まぁ、じっくり聞いていくといい。

 熊野寮祭とはNFの終わった数日後、十一月の下旬から十二月の上旬にかけて行われる祭のことだ。この長いお祭りの中でのルールはただ一つ。

 自由にみんなで楽しむこと。

それだけだ。その結果として、高いところが好きなのか時計台に登り始めるもの、過去に置いて来た青春を求めて何故かグラウンドではなく街中で運動会をやり始めるもの、寒いのにとりあえず理由を付けては鴨川に入りたがるもの、こういう莫迦ども情熱を持て余し過ぎてしまって何かを拗らせた人々がその欲望を現実にしてしまう。そういう場が生じる時空、それが熊野寮ということだ。

 これで流石に熊野寮祭について解っただろう?何、もっと聞きたい?本当にどこまでも仕方ない奴だ……

 そうだな、もうこれと言って話すこともないが昨年の寮祭の話をしよう。

 

【時計台コンパ】

その名の通り、京大の時計台でコンパを行う。入試の際、クスノキの前で鍋をやっている集団がいたと思うがあれを大規模にしたもの。そして、熊野寮生が高みに近づく儀式でもある。

【四条運動会】

街で運動会します。昨年度は二人三脚借り物競争、騎馬戦、綱引き、長距離パン食い競争等を行いました。

【京都駅大階段グリコ】

コミュ障にとっては最もハードルの高い競技。逆にショック療法的に治るとか治らないとか。

 

 とりあえず寮祭は楽しい。実行委員長を務めた身としてそれだけは言える。参加しなければそこには後悔しか生まれない。

 結局、何のことか解らないと思いますが要するに寮には寮特有のお祭りがあります。そして、入寮する皆さんはそれに主体的に参加出来るのです・多分、今後どれほどの時間を生きようとこんな経験は二度と出来ません。

 京大に入って、普通に下宿して四年(以上?)も凡庸に過ごすのは勿体無い。そうは思わないかい?日常と非日常が織りなす不思議な空間、熊野寮。人それぞれ思いは異なるだろうが、ぜひ僕らの仲間になってほしい。あなたが熊野寮に興味を持つことを切に願う。

 

 何か色々書いたけど、とりあえず熊野寮に入って色々楽しみましょう。私はもう文書を書くのに疲れました。こういう適当なの含めて熊野寮です。読んでくれてありがと♡みんな愛してるよ、熊野寮においで♥?