厚生課に対する反論文

　

　厚生課 御中

 

　3月8日ならびに4月4日に貴課から熊野寮自治会に送られてきた「熊野寮入退寮者名簿

について」と題する文書について、以下の通り反論します。熊野寮自治会としては、このよ

うな多くの誤りを含み、かつ一方的な文書を認めることはできません。

　また、この反論を読むにあたっては、同時に第三小委員会に送っている「第三小委員会に対する反論文」もご参照ください。

 

 

・「入退寮者に関する情報を…疑い」という記述について

 

　入退寮者の情報は、その更新があるたびに逐次確認し、名簿を作成しています。また、入寮希望者から提出された書類については、個人情報保護の観点から、厳重に保管しており、特段の必要性が生じた場合のみ参照することとしています。

　また、京大新聞紙上に発表されている情報は、以前に指摘されたような多少の誤字等を除けば基本的に正確なものです。熊野寮自治会は、自らが負っている社会的な役割を踏まえて、寮自治について社会的に説明する責任を果たすため、京大新聞紙上で公明正大に入退寮者の情報を公表してきました。

　以上の事実を伝えれば、貴課が目的としている「疑い」の解明は達成されるはずです。

一方で、熊野寮の日常的な運営は京大当局に管理されるものではないため、京大新聞上で発表している以上の情報を貴課に伝える義理はありません。貴課は独自に作成している名簿を公表するつもりはないと回答していますが、貴課が寮自治会のあずかり知らぬところ

で作成している名簿で齟齬が生じているのは、貴課の勝手な行為によるもので、貴課の責任です。熊野寮自治会は何ら関与するものではありません。

 

 

・「確約については…署名した事実はありませんが」という記述について

 

　たしかに、川添前学生担当理事・副学長と村中現学生担当理事・副学長は、確約にサインした事実はありませんが、そのことは確約の無効性を表すものではありません。具体確約 H条で、「団交-確約体制を維持」し、確約を「次期以降の学生担当理事、厚生補導担当副学長に引継ぐ」とされているように、サインをしていなかったとしても自動で引き継がれるものであり、確約は現在効力を発揮しています。

　また、確約は当局を代表して副学長がサインしていますが、熊野寮自治会と京都大学当局の間の組織間の約束事であり、その代表者が交代したところで依然効力を発揮することは明白です。社長や担当者が代われば企業間の契約が一方的に無効になることはありません。

　確約は現在も有効であり、熊野寮自治会はこれに基づいて団体交渉を開催することを再三求めてきていますが一方的に拒否されています。約束を反故にしている京都大学当局の対応は無責任で不誠実なものです。

　なお、交渉の形態や確約の内容を変更したい場合は、熊野寮自治会として団体交渉に応じる準備があることを申し添えます。

 

 

・「自治会としての責務を果たす意思と能力が欠落している」という記述について

 

　以上で丁寧に説明したように、当自治会は、入退寮者の情報に関して、個人情報の保護にも十分留意したうえで、自治会としての責務を果たす意思と能力に基づき、適切な管理を行っています。

　なお、当自治会は、熊野寮が福利厚生施設として存続、発展するために必要なあらゆる実務を、全寮生の主体的な意思に基づいて現に担っています。これは、貴課が認識していると思われる炊事当番や事務当番、そして寮生に関する情報の厳重な管理は当然ながら、自主的な寮内の清掃や防災点検、消防署と連携した避難訓練や、保健所と連携した新型コロナウイルス対策、寮生同士の交流の機会の創出等、具体例を列挙すれば枚挙に暇がありません。

　このように、当自治会は、自治会としての意思と能力に基づき、その責務を果たしていま

す。

　一方で、寮内の設備不全の補修をサボタージュし、管理強化を受け入れることを交換条件とするような貴課の態度こそ、基本確約第１項「京都大学は熊野寮の一層の充実に努めるものとする」、第４項「両者の協議の場において、何らかの条件を付そうとする場合には、相手側の同意を得るものとする」に反するものであり、寮生の生存権や安全を軽視した、厚生課としての責務を果たす意思と能力が欠落したものだと言わざるを得ません。

　それにも関わらず、4 月 4 日に貴課より送付された文書中にあるような、一方的且つ恣意的な判断で、当自治会の意思や能力を評価、否定し得る行為は、断じて容認できず、極めて遺憾です。金輪際、このような文言を熊野寮自治会に対して使うことがないよう、強く申し添えておきます。

 

　以上

 

2022年5月11日

京都大学熊野寮自治会