家宅捜索に関する申入書への学生生活委員会第三小委員会委員長の返答に対する抗議文
学生生活委員会 第三小委員会 御中
2021年12月9日
熊野寮自治会
6月24日に行われた熊野寮への家宅捜索に関して、熊野寮自治会は確約に基づいて⑴家宅捜索の立会い方法に関する広く開かれた協議の場を設けることと、⑵家宅捜索が不当であるかの検討内容の共有、⑶および不当な場合その家宅捜索に抗議すること、という3点を学生生活委員会 第三小委員会に要求した。これに委員長より返答があったが、その内容は看過できるものではなく、返答自体も不十分なものであった。熊野寮自治会はこれに抗議するとともに、要求項目への返答を求める。
1.確約は現在も有効である
具体確約(H)
『①学生担当理事、厚生補導担当副学長は、熊野寮自治会との間において、団交-確約体制を維持する。②学生担当理事、厚生補導担当副学長は、「熊野寮自治会と京都大学の基本確約」ならびに本確約を、次期以降の学生担当理事、厚生補導担当副学長に引継ぐ』の通り、確約は学生担当理事・副学長が交代するごとに自動で引き継がれるものであって、寮自治会と当局双方の合意なしに引継ぎの可否を決められるものではない。川添前副学長も村中現副学長もこれへの署名を一方的に拒否しているだけであり、確約は現在も有効である。
2.協議は公開の場でなされるべきである
学生寮は人々の税金によって運営されており、福利厚生を担保し学生の学問の権利を保障するものとして存在している。今回協議に付された条件については一切正当性が示されておらず、基本確約にしたがって、寮自治会に関する重大な決定は、すべての当事者が参加できるよう公開の場で交渉、決定されるべきである。また、川添前副学長の任期中である2016年1月8日、6月3日にも寮自治会と第三小委員会は団体交渉の予備折衝を行っている。村中現副学長が確約の有効性を認めていないことを理由に第三小委員会が確約に則った寮自治会との協議を行わないというのは論理が通っていない。
3.第三小委員会は自律性を持って行動すべきである
今回の返答において、第三小委員会委員長は川添前副学長と村中現副学長が確約に署名していないことを理由に確約に則った協議は行なわないとしている。しかし、学問の場である大学において、第三小委員が副学長の主張について正当性を検討せずに受容することは認められるべきではない。第三小委員会は学生の要求に対して誠実に検討し、返答すべきである。
4.返答が不十分である
寮自治会の提出した申入書に、団体交渉の必要性や、家宅捜索の不当性についての説明があったにもかかわらず、その点についての返答は一切示されないまま「確約に基づいた協議は行わない」「条件に基づいた協議なら応じる用意がある」としか返答されておらず、要請に対し返答が不十分な状態である。
以上の4点を踏まえ、第三小委員会に対し以下の項目について要求する。
・確約および団体交渉についてどのような認識であるのか回答すること。
・先日提出した申入書において示されている家宅捜索の不当性の検討内容について、また、捜索主体である京都府警本部及び令状を発行した裁判官に対してどのように抗議する予定か回答すること。
・改めて、家宅捜索の件について協議の場を設けること。協議の場について条件を設けたいのであれば、公開の場での予備折衝を行うこと。
・以上の項目に対して、誠実かつ十分に回答すること。
回答期限は2021年12月16日とする。
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※団交ー確約体制について
団体交渉とは、全ての人が参加できる交渉形態のことです。学寮というのは学費、税金で 施設が賄われているので、寮に関する重大な決定については全学、社会に責任を持つ立場 で公開性の担保が必要ということで団体交渉が行われ、意思決定がされてきました。ま た、少人数交渉の場合、力関係を形成できずに当局の要求を一方的に飲まされる可能性が 高いほか、個人が特定されて処分などのアカハラの可能性もあることから、川添前副学長 が2015年に就任し団体交渉を拒否して以降も寮自治会としては少人数交渉ではなく団体 交渉を行うよう要求してきました
確約は、寮と大学当局との約束事のことです。寮自治会ができてからずっと結んできたもので、一度1978年に当時の沢田学生部長によって拒否された後、確約を結ばせたり破棄されたりしながら91年に当時の佐野学生部長と結んで以降引き継がれてきました。また、自動で引き継ぎはなされるが、解釈の不一致がないように厚生補導担当副学長(今でいう村中)が代わる度に引継ぎの団体交渉を行ってきました。これも2015年に川添前副学長が就任して以降、団体交渉とともに拒否されています。