2017年1月31日の偏向報道についての声明

2017131日、京都府警により熊野寮内への家宅捜索が行われました。

 その際、一部記者と寮生が接触した場面について、「寮生が記者の胸ぐらに突然掴みかかった」というような内容の報道がなされました。しかし、これは事実を捨象した偏向報道です。この声明は、そのような報道に対して、事実を公表するとともに抗議の意思を表明するものです。

 

 以下が本件について寮自治会が把握している事実経過です。

 

  当日、大学の教員や事務職員らとともに寮生は、「寮生個人の顔を撮影しないように」、また「通行の妨げにならないように」と正門前の報道陣に対して要請・抗議していた。

  当該の女子寮生も抗議をしていたが、その際、記者の一人にスマートフォンのカメラで近距離から撮影された。

  咄嗟に当該の寮生は(胸ぐらではなく)スマートフォンを掴み、データの削除を求めた。

  記者が力づくで当該の寮生の手を振り払って逃げようとしたので、近くにいた寮生の一人も記者の(胸ぐらではなく)カバンやスマートフォンを掴むなどして揉み合いになった。

  機動隊員が間に入り、両者を引き離した。

  捜索終了直後、正門付近で、大学教員・事務職員らと寮生数名から記者に対して再度データの削除を求めた。大学側の立会責任者から「もしなにか社会問題になったときは、然るべき対処をすることになる。そのことを踏まえて(記者は)判断されたらどうか」という発言があった。

  京都府警の広報担当者も話し合いに加わり、記者に対して「データを消すように」と諭した。

  大学側の責任者と寮生2名の確認のもとで、記者は写真データを削除した。

 

※寮生と接触した男を記者と判断しているのは、事前に男が自ら「報道関係者だ」と言いながら当該の女子寮生に「インタビューさせてくれないか」などと話しかけていたからです。「どこの記者か」と尋ねると、男は「それは答える必要はない」と返答しました。

 

 こういった恣意的な報道は今回に限ったものではなく、20141113日の家宅捜索を受けて同月21日に公表した声明のなかでも指摘している、抗議を無視した肖像権侵害や、無根拠に寮生を「過激派」と断定して報道する、といったマスメディアの、当時から続く不当な動向です。

 

 熊野寮自治会は、本件のように家宅捜索の混乱に乗じて特定の個人を狙う写真撮影に強く抗議し、今後このような事実と異なる報道や、恣意的な報道を慎むよう、報道関係者各位に期待します。

 

201727

                                                                                                                                       京都大学熊野寮自治会